052798 ランダム
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ふぁんふぁんふぁ-ましぃ

感動した詩


動作

シュペルヴィエル
安藤元雄訳

その馬はうしろを振り向いて

誰もまだみたことのないものを見た。

それからユーカリの木の蔭で

牧草をまた食べ続けた。


それは人間でも樹でもなく

また雌馬でもなかったのだ。

葉むらの上にざわめいた

風のなごりでもなかったのだ。

それは もう一頭の或る馬が、

二万世紀もの昔のこと、

不意にうしろを振り向いた

ちょうどそのときに見たものだった。

そうしてそれはもはや誰ひとり

人間も 馬も 魚も 昆虫も

二度と見ないに違いないものだった。大地が

腕も 脚も 首も欠け落ちた

彫像の残骸にすぎなくなるときまで




「中学校国語3から」



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